TAMASU(BUTTERFLY)
卓球の可能性を拡張するためのプロダクトおよびコーポレートブランディング
2024
パーパスの策定
バリューズの策定
ブランド広告のデザイン及び展開
アプリケーションのデザイン
あらすじ
本プロジェクトは、70年以上に渡って卓球の用具やサービスを提供する『バタフライ』ブランドを展開する株式会社タマスの更新を図るためのコーポレートブランデインングのプロジェクトである。
Ep.01 定義と解釈
社内外のステークホルダー(経営層・社員・契約選手・販売代理店など)へのインタビューや定量的な認知度・イメージ調査の実施から始まり、社史の掘り起こしなどを経て、タマスという企業における主観的・客観的な認識を把握し、要素の抽出を経て、パーパス(クライアント社内では「バタフライの約束」と呼ぶ)を策定した。パーパスは一般的に非常に抽象的な表現になることが多く、本プロジェクトでもそうした部分があることは免れなかった。これは、パーパスの構造的な問題であり、将来的な再解釈による訂正の可能性を担保することにも繋がるため、否定するものではないと考えているが、策定時点の解釈は明確にすべきであるとも考えており、本プロジェクトでも可能な限り明確な定義を行い、パーパスとセットで展開することとしている。
Ep.02 行動を規定するための行動
パーパス(とその解釈)を策定後、プロジェクトはバリューズ及びバタフライウェイの検討・策定へと移行していった。パーパスは起点として重要であることは間違いないが、日常への直接的な影響や企業カルチャーへの展開を考えた時、バリューズやウェイの策定が持つ重要度はパーパスと同等、もしくはそれ以上の影響があると考えている。さらに、パーパスが検討・決定の主体が経営層であることが多いが、バリューズやウェイについては、ミドルマネジメントを中核とした現場レベルの社員が主体的に行うことで、決定した内容もさることながらそのプロセス自体にも大きな意味が生まれ、その重要性は非常に高いものと考えている。
本件も例に漏れず、社内各部門の部課長レベルの社員を中心にメンバーを選定し、WSを通じた議論では、現場レベルのリアルな声が飛び交い議論自体は白熱したものにすることができた。その中で真っ先に感じたのは、「この会社は大丈夫だ」という感覚である。様々な目的でWSやディスカッションを行うが、そこでの雰囲気は会社によって大きく異なる。本件の場合には、「卓球」という共通の言語があるという圧倒的な強みはあるが、卓球というフィルターを通して会社、仕事への熱量が非常に高いことを感じた。現状に対して批判的な意見であっても、それは単なる悪口ではなく、自分たちの信念に基づく真っ当な主張として行われていたことは非常に印象的であった。
結果として定義されたバリューズやウェイは、社内の各レイヤーの納得感の強いものとなった。そして上記に加えて、創業者が体現していた言動を掘り起こし下敷きにしたことで、全く新しいものとして捉えられることなく、地続きのものとして受け入れられたことはよかった。
本件も例に漏れず、社内各部門の部課長レベルの社員を中心にメンバーを選定し、WSを通じた議論では、現場レベルのリアルな声が飛び交い議論自体は白熱したものにすることができた。その中で真っ先に感じたのは、「この会社は大丈夫だ」という感覚である。様々な目的でWSやディスカッションを行うが、そこでの雰囲気は会社によって大きく異なる。本件の場合には、「卓球」という共通の言語があるという圧倒的な強みはあるが、卓球というフィルターを通して会社、仕事への熱量が非常に高いことを感じた。現状に対して批判的な意見であっても、それは単なる悪口ではなく、自分たちの信念に基づく真っ当な主張として行われていたことは非常に印象的であった。
結果として定義されたバリューズやウェイは、社内の各レイヤーの納得感の強いものとなった。そして上記に加えて、創業者が体現していた言動を掘り起こし下敷きにしたことで、全く新しいものとして捉えられることなく、地続きのものとして受け入れられたことはよかった。
Ep.03 内から外へ、また内へ
その後、上記をカルチャーブックとしてまとめ社内で共有するとともに、社内でブランドアンバサダーを選任し、バリューズに基づく浸透活動を継続的に実施することで、社内浸透を促進するとともに、社外に対してもマスメディア(新聞)広告展開を契機として卓球界のみならず、広くブランド及び企業の認知を促進し、外部との共創関係の構築にも力を入れなど、現在もプロジェクトは継続実施されている。
Ep.04 おわりに
本件は、創業70周年を機に構想され、コロナ禍を跨いで実施されたプロジェクトであるが、実施後の売上は、実施前を上回りコロナによる減速からの脱却というレベルではないという。いわゆるインナーブランディング的なウェイトが大きいプロジェクトではあるが、現代におけるブランドは様々な顧客との接点におけるCX(顧客体験)に基づいて形作られることを考えると、ブランドを作るのは結局のところ「人」なのであり、社員一人ひとりがブランドを体現することが求められるという私たちの考えともリンクしたものである。